ジェットポンプの整備が終わったエキサイター1430ちゃん。
オーダーしていた純正部品がまだ入荷しませんが、ご成約いただいていると思うと、少しでも前へ進めておきたくなる性分でして・・・
と。いうことで。
いよいよエンジンルームを着手。
2ストロークエンジンなので、やはりキャブレターのメンテナンスは避けては通れません。
特に注意したいのは、2ストロークオイルが通るオイルホース。
これ、これです↓
おそらく新艇時から1度も交換されていないホースで、カッチカチに硬化して、縮んでしまい長さも短くなってます。
この短くなったホースが、知らないウチにスポッと抜けてしまい、オイルが回らなくなって、エンジンが焼け付いちゃう。
このエンジンは、これが1番多い、オイル系焼け付きトラブルです。
もちろん全てのホースを新品に交換して、柔らかく、長いホースで、これから安心して乗っていただける状態に仕上げます。
さて、続いて、キャブレターを取り外していきますが~
3気筒パラレルマウント型のキャブなので、固定しているナットの取り外しがタイヘン。
たった6個のナットですが、一般の工具では、ものすごく時間がかかりますが・・・
ウチには秘密兵器がありまして
コレ↓
なんだかヘンな形をした工具ですが・・・
スナップオン製の特殊工具。
こうやって、キャブレター下部のナットにアクセスできます。
キャブとキャブの間の、せま~い部分にも
イージーアクセス♪
ほら、メチャクチャかんたん。
一般の工具と比べたら、10倍の早さで取り外せます(ホントに
お。
これは燃料がタンクへ戻るための、リターンホースですが
カシメが使われていますので、やはり新艇から1度も手が入っていないと思いますね。
トリプルキャブレターの取り外し完了~☆
お次は、、、
排気系統、エキゾーストです。
ここの整備も、定番中の定番。
いつも手掛ける作業なので~
さっさっさ~
とは、いきませんでした。
なんせ1度も取り外されていなかったので、ホースが貼りついてしまって、けっこうナンギな部分もありましたが・・・
ハイ、こちらが
砂や塩が詰まって、割れることが多い、1200系チャンバー本体です。
せっかく取り外したんですから、もちろん洗浄して、キレイにしつつクラックなどのチェックに入ります。
キャブレターのカバー系統も洗って
ん~いい感じ。
小さなボルトたちも、もちろん洗浄します。
さて
キャブもチャンバーもなくなって、スッキリしたエンジンルームは~
ご覧の通り、汚れが目立ちまくり。
動画では見えないので、伝わりにくいと思いますが、かなり汚れてます。
これでも、入庫したときに、1度エンジンルームを洗浄しているんですけどねぇ・・・
いざ!
ここからは、洗剤とブラシを手に取り、ひたすらお掃除!
ん!?
んんん!??
なんかココ、汚れ方がおかしい。
と、プラスティックのカバーを取り外すと・・・
でた。
中間シャフトカプラーが割れてる。
またコレか・・・
なんか2年に1回ぐらい、コレに遭遇してる気がするな・・・
とりあえず、お掃除だけ
先に終わらせよう。
ハイ。
たいへんキレイなエンジンやシリンダーヘッドになりました~
いよいよ問題の部位を着手開始。
エンジンをゴソッと前方にずらして、カップリングを触ると
スポッ。
あぁ。ずいぶん前から割れてたんでしょうね。
汚れ具合を見ると、それなりの経過年数を感じます。
中間シャフト本体を取り外しまして
コレもガッチガチに固定されてましたので、もちろん新艇から1度も手が入っていないと思います。
だから、コレを外すのに、けっこう苦戦。
当店のパーツセンターには、中間ハウジング&シャフトのセットって結構在庫あったな~
ってことで、中古パーツ在庫をチェックすると
あるわあるわ。
でも、エキサイターに使用できる長さのシャフトじゃければ意味がないので・・・
お。ピッタリの発見☆
ってことで、女性スタッフさんに倉庫から出してきてもらいまして~
並べて見比べてみて、やはりピッタリ。
ちなみに・・・
中間シャフトが折れた原因ですが、強度不足とか、オーバーロード(過負荷)で割れたのではないんですよ。
ウチの中古パーツには、このワッシャーが付属しています。
コレ。
でも、割れたカプラーには、ワッシャーは入っていませんでした。
バラしていない痕跡が山盛りだったので、新艇から入っていなかった事実が、とても分かりやすくい。
割れたカプラーをよく見ると、真ん中のシャフトが押し出てきてるのも見受けられます。
ひとまず、工程を進めていきます。
油圧プレスを用いて
シャフトを抜き取って、入れ替えます。
ハイ~完成☆
お次は、ヤマハの特殊工具を用いて、組み上げていきます。
ん~実にキレイなシャフト。
そのシャフトにワッシャーをインストール。
けっこうな厚みがあるワッシャーですよね。
なぜかというと・・・
コレをはさんで組み上げると
ほら、先ほど飛び出していたシャフトが
出てません。
むしろ、マイナス。凹んでます。
そう、これが原因なんです。
新艇時の組み付けが、ワッシャーがない状態だと、当たるか当たらないかギリギリのクリアランスで、おそらく水上で乗っているウチに、増し締めされていき、クリアランスがないので、シャフトが付き出ちゃう。
突き出た穴から、水が入り込むことで、サビが始まり、強度低下し、折れる。
が、間違いない原因だと思います。
で、ヤマハが対策してきたのが、ワッシャーの後入れ。
もしかしたら、当時はリコール?とかサービス点検項目とかに上がってたかも知れませんね。
さて、今回カプラーはこのまま使用しますので、接着系パテで穴を塞ぎました。
これで、水が入って、シャフトをサビさせることもナイと思います。
では、エンジンルームに再インストール開始。
慎重に作業をしていたので、撮影ができていなくて、ちょっとワープしますが、、、
無事、組み付け完了☆
再接合面には、シーリング材を塗布して、浸水してこないように対策してます。
良し。
完成~☆
ん~
実にイイ感じ。
イイ仕事できた☆
そして、もう一度、お掃除タイムに入りまして、今日の作業は終了~
オーダー済のヤマハ純正パーツが届き次第、続きに着手していきたいと思います。
まずは、キャブレターのオーバーホール。から手掛ける予定です◎
続きをお楽しみに~