230WAKE セミファイナル 大規模メンテナンス記録② (船舶番号242-30473)

3月から大規模メンテを着手した、230WAKEセミファイナル。

エンジンを降ろしてからの重作業は完了しましたので、やっと他の部位を着手開始。

バラし始める前の点検で、ゴリゴリの硬さだったステアリングの点検に入ります。

船体から抜き取り、ケーブルを点検すると・・・

ヌォ!

やはりキテマシタね・・・

これは酷い。

あと少しで破断して、大惨事になるところでした。

230WAKEの後期モデルは、ちょっと特殊なステアリングケーブル形状していますので、日本国内メーカーには在庫がありませんでした。

1ヶ月強の納期でケーブルが入荷しましたので、やっと交換できました。

さてさて、お次はジェットポンプ。

シードゥもヤマハも、ジェットポンプの取付ボルトが外れなくて、ボルトが折れてしまうことは、わりと良くあります。

それぞれのモデルに合わせて、特殊な取り外し方をしないと、かなり大がかりな作業になったり、買わなくてもいいパーツをたくさん必要とすることにもなりかねませんが・・・

ウチはジェットボート専門店。

過去にけっこうな苦労をしてきたおかげで、今ではかなり特殊な取り外し方で乗り切っています。

例えば・・・

かなり高確率で外れないジェットポンプのロングボルト。

ハンドグラインダーで、4本全て、切り落とします↓

パッとみ、トンデモないトコロで切り落としてますが・・・

あえて残した部分をバイスプライヤーでつまみまして

グリグリ、グリグリを動かしていくと

無事、外れました。

白い粉は、塩。

塩害によって、塩ロックされている状態だったことがよくわかります。

コッチのポンプは、1本だけ正常に外れましたので

3本を切り落として、グリグリやって取り外しました。

グリグリやって取る。って文章で書くと、数文字ですが・・・

実際は、かなりの重労働です。

手の握力がなくなるぐらい戦って3本を外して、ホッと一息ですが、まだ強敵が残っています。

ブラケット側にボルトの破片が残っていますので、もちろん取り除かねばなりませんが、これがなかなか大変。

今回は、ボルトを溶接で固定し

メガネレンチを用いて、取り外す方法を試みてみましたが・・・

これがなかなかうまくいきません。

防錆材をバンバン塗布しながら、戦いますが・・・

強敵過ぎて、ぜんぜんダメでした(苦笑

結局、いつものやり方。

油圧プレス機を使う方法へ

溶接したボルトがついたままなのが、笑えます↓

油圧の力で、ブラケットを割ってしまわないように気を使いながら塩ロックボルトを取り外しまして

先ほどグリグリやった部分とを、仮合わせします

仮合わせしたまま、溶接すれば、元通りになります。

ってか、画像の枚数が少ないので、さっぱり意味わからん方も多いと思いますが、端的に言うと、このやり方なら新品3万円のブラケットを2個、買い替える必要がないので、リーズナブルで良い仕事ができる。ってことです。

さてさて、お次はクリーニングが完了したエンジンのメンテナンスに入ります。

船内にインストールする前に、プラグ交換やオイル交換&フィルター交換などを済ませておきます。

2基とも、油脂類の交換を完了させ

オイルプレッシャー や 吸気温度センサーなどの定期交換すべきセンサーを交換しておきます。シードゥは欧州メーカーのセンサーが多いので、ピーピー鳴く可能性が高いので、早いサイクルでセンサーを新品に交換するのです。

早いサイクルって言っても、使用期間5年とかですけどね~

そういうトコロをやるか、やらないか。

やってあるか、やってないかで、安心感がまったく違います。

私たち、売る側も安心してお客様にお引渡しできる。

そういうのって、とても大切ですからね。

さてさて

お次は、ガラッと作業が変わりまして

シート張り替えの準備に入ります。

コレ↓現在のリアシート。

こんな感じで、ダイヤモンド柄を入れる予定です。

前方のバウシートも

こんな感じでダイヤパターンを入れたいと

近くで見ると、まるで落書きのようですが

こうやって、シートそのものに書くことで、船内のイメージがより描きやすくなります

よく見ると、ダイヤだったり、パイピングだったりと、けっこう細かな所までこだわってシートデザインを作り上げます。

あ、もちろん色は、赤と白じゃなくて

オシャレでラグジュアリーな感じをイメージした

グレーとブラウンの2色基調のツートンカラーでいきます。

日本で1番オシャレな230WAKEセミファイナル、お楽しみに~☆