昨年12月初旬から着手しているヤマハLS2000の作業ブログの続きです。
その①はコチラから
さて
軽快に作業が進んで、2基のエンジンを降ろしたLS2000ちゃん。
その翌日、事件は起きました。。。
事件というのは・・・コレです↓
エンジンを支えているマウント、エンジンマウントを固定する
ステンレスのボルトがポッキリと折れています。
いや、正確に言うと「折ってしまいました・・・」
朝イチから、ものすごい洗礼を受けた気分デス。
と言うのも・・・
LS2000はツインエンジンなので、4×2=8個のエンジンマウントがあり、それぞれ2本のボルトで固定されており、全16本のボルトで固定されていますが・・・
ボルト緩めに手がけること、1本目が折れ、2本目も折れ・・・
折れた1本を取り除くのに全力作業で1時間は要してしまうのに、16本全部折れたらエライコッチャ。
取り外す作業だけで1、2日を費やす可能性が・・・
そう考えると地獄です・・・
3本目のボルトに手を付ける前に、他のボルトの固着度合いを調べていくと、ほとんど同レベル。
まともに戦ったら、全部折れると予想。
ひとまず手を止め、アタマの中でイロイロと整理していきます。
折れる原因を推測し、他の方法で取り外せないか、試してみます。
ハンドグラインダーで、エンジンマウントのボルト際をカットします。
船体にキズをつけないように、ギリギリで寸止めです。
そのスキマにクサビ代わりのマイナスを叩き込み
真ん中のコブを撤去します。
これで、ガチガチに固まったボルトがそれぞれ独立しました。
そして、モンキーで掴みまして
グイッと緩めます。
このボルトの折れる原因は、船体側に固着しているのではなく
エンジンマウントのアルミ部分にボルトが抱きついてしまい、エンジンマウント部分で折れてる。
ってことは、マウントごと回してしまえ。の考え方です。
これが功を奏し、たいへん上手くいきましたので、次々と着手していきます。
といっても、あと8個16カット。
なかなかの量です笑
場所によっては、ハンドグラインダーが入らず
チョッパーカットで、コブを小さくしてから、ボルト際にカットを入れたりと
一筋縄ではイカナイ作業が山盛りデス。
でも、折れてしまうことを考えたら、10倍速いので、1時間程度ですべて撤去完了~☆
残すは、最初に折ってしまった2本を
1本に1時間近くかける覚悟で取り外していきます。
小さなボルトに小さな穴をいくつも開けていく、気の遠くなるような作業です。
鉄ねじを使用する業界では、逆タップなどの工具で折れたボルトを取り除くのですが、マリンの世界で使用されているボルトは大半がステンレスです。
ステンレスはとても硬く、逆タップでも歯が立ちません。
結局、ハンドドリルで穴を開ける地道な作業しかナイのです・・・
14本を1時間で取外せたのに
2本に2時間を費やす。という精神的にツライ至難の道。
折れたドリルは5本。途中、心もボキボキになりましたが
無事に、すべてのエンジンマウントを取り外すことができました・・・
いや~手も肩も腕もパンパン。
お次は、チョット軽い系の作業を着手したいと思います。
四角いオイルタンクから伸びた黒いホース。
ヘンテコリンなヒゲになってますが、これカッチカチなので、この形から変わりません。
リターン側の細いホースも、恐ろしく硬い。
この年代に使用されていた海外製ホースは、経年劣化でカチカチになってしまうようですね。同じホースを使用している他のモデルでも同じ症状が出ています。
カチカチのホース。
ニッパーなどでは歯が立ちませんのでノコギリでカットします。
そして、タンク内部を掃除していると・・・
何やらコトコト音がする。
タンクの底で、固いモノが動いています
外に出してみると、バラバラになったナニカが出てきました。
組み立てれそうだったので、パズルをしてみると・・・
なんと、丸形になりました。
ってことは~
キャップの裏側のベント(息抜き弁)が、経年劣化で硬くなり、割れてバラバラになってタンク内に散乱。
ってか、ホースの入り口に引っかかったら、オイルの流速が落ちて、エンジン焼けるじゃん。恐ろしや・・・
オイルタンクの内部点検も、スゲー大切。ってことに今一度気がつかされました。
日々、勉強ですねぇ~☆
さてさて
エンジンルーム内のアレコレを取り外して、スッキリしたところで
私の大好きな、お掃除タイムです。
とにかく、ひたすら、ブラシ。ブラシ。ブラシ。
ゴシゴシし続けること小一時間。
ご覧のとおり、白くマバユイ エンジンルームに生まれ変わりました。
今日は、半日以上エンジンルームにこもりっきりだったのに、前日の作業終了と比べると、ただエンジンルームがキレイになっただけ。と・・・
いろんな意味で、スゲー疲れた1日となりました汗
続きはまた今度~☆