ヤマハ LS2000物語② (船舶番号235-44895)

昨年12月初旬から着手しているヤマハLS2000の作業ブログの続きです。
その①はコチラから

さて

軽快に作業が進んで、2基のエンジンを降ろしたLS2000ちゃん。

その翌日、事件は起きました。。。

事件というのは・・・コレです↓

エンジンを支えているマウント、エンジンマウントを固定する

ステンレスのボルトがポッキリと折れています。

いや、正確に言うと「折ってしまいました・・・」

朝イチから、ものすごい洗礼を受けた気分デス。

と言うのも・・・

LS2000はツインエンジンなので、4×2=8個のエンジンマウントがあり、それぞれ2本のボルトで固定されており、全16本のボルトで固定されていますが・・・

ボルト緩めに手がけること、1本目が折れ、2本目も折れ・・・

折れた1本を取り除くのに全力作業で1時間は要してしまうのに、16本全部折れたらエライコッチャ。

取り外す作業だけで1、2日を費やす可能性が・・・

そう考えると地獄です・・・

3本目のボルトに手を付ける前に、他のボルトの固着度合いを調べていくと、ほとんど同レベル。

まともに戦ったら、全部折れると予想。

ひとまず手を止め、アタマの中でイロイロと整理していきます。

折れる原因を推測し、他の方法で取り外せないか、試してみます。

ハンドグラインダーで、エンジンマウントのボルト際をカットします。

船体にキズをつけないように、ギリギリで寸止めです。

そのスキマにクサビ代わりのマイナスを叩き込み

真ん中のコブを撤去します。

これで、ガチガチに固まったボルトがそれぞれ独立しました。

そして、モンキーで掴みまして

グイッと緩めます。

このボルトの折れる原因は、船体側に固着しているのではなく

エンジンマウントのアルミ部分にボルトが抱きついてしまい、エンジンマウント部分で折れてる。

ってことは、マウントごと回してしまえ。の考え方です。

これが功を奏し、たいへん上手くいきましたので、次々と着手していきます。

といっても、あと8個16カット。

なかなかの量です笑

場所によっては、ハンドグラインダーが入らず

チョッパーカットで、コブを小さくしてから、ボルト際にカットを入れたりと

一筋縄ではイカナイ作業が山盛りデス。

でも、折れてしまうことを考えたら、10倍速いので、1時間程度ですべて撤去完了~☆

残すは、最初に折ってしまった2本を

1本に1時間近くかける覚悟で取り外していきます。

小さなボルトに小さな穴をいくつも開けていく、気の遠くなるような作業です。

鉄ねじを使用する業界では、逆タップなどの工具で折れたボルトを取り除くのですが、マリンの世界で使用されているボルトは大半がステンレスです。

ステンレスはとても硬く、逆タップでも歯が立ちません。

結局、ハンドドリルで穴を開ける地道な作業しかナイのです・・・

14本を1時間で取外せたのに

2本に2時間を費やす。という精神的にツライ至難の道。

折れたドリルは5本。途中、心もボキボキになりましたが

無事に、すべてのエンジンマウントを取り外すことができました・・・

いや~手も肩も腕もパンパン。

お次は、チョット軽い系の作業を着手したいと思います。

四角いオイルタンクから伸びた黒いホース。

ヘンテコリンなヒゲになってますが、これカッチカチなので、この形から変わりません。

リターン側の細いホースも、恐ろしく硬い。

この年代に使用されていた海外製ホースは、経年劣化でカチカチになってしまうようですね。同じホースを使用している他のモデルでも同じ症状が出ています。

カチカチのホース。

ニッパーなどでは歯が立ちませんのでノコギリでカットします。

そして、タンク内部を掃除していると・・・

何やらコトコト音がする。

タンクの底で、固いモノが動いています

外に出してみると、バラバラになったナニカが出てきました。

組み立てれそうだったので、パズルをしてみると・・・

なんと、丸形になりました。

ってことは~

キャップの裏側のベント(息抜き弁)が、経年劣化で硬くなり、割れてバラバラになってタンク内に散乱。

ってか、ホースの入り口に引っかかったら、オイルの流速が落ちて、エンジン焼けるじゃん。恐ろしや・・・

オイルタンクの内部点検も、スゲー大切。ってことに今一度気がつかされました。

日々、勉強ですねぇ~☆

さてさて

エンジンルーム内のアレコレを取り外して、スッキリしたところで

私の大好きな、お掃除タイムです。

とにかく、ひたすら、ブラシ。ブラシ。ブラシ。

ゴシゴシし続けること小一時間。

ご覧のとおり、白くマバユイ エンジンルームに生まれ変わりました。

今日は、半日以上エンジンルームにこもりっきりだったのに、前日の作業終了と比べると、ただエンジンルームがキレイになっただけ。と・・・

いろんな意味で、スゲー疲れた1日となりました汗

続きはまた今度~☆